2004年センター試験第7問
100年以上前に、一つのとても重要な法律が可決された。1901年の組合に関する法律である。この法律によって、市民は殆どあらゆる分野において自由に集団を形成し一緒に行動することができるようになり、国家に報告する義務はなくなったのである。数多くの活動を市民みずからが行うことができるようになり、行政や企業はそうした活動に関与することはない。それ以来、組合の数は非常に増加した。フランスにはおよそ75万の組合があり、フランス人2000万人が一つあるいは複数の組合に参加しており、それは国民の3人に1人に相当する。そうした組合には、組合から給料を受け取れない通常の組合員に加えて、130万近くの組合専従員もいる。
このように組合が増加したのは、組合を設立するのがかなり簡単だからである。組合設立には3名の人員(議長、書記、会計係)がいれば良い。だから、多くの組合が設立されるものの、非常に短い期間しか活動せず、組合員が活動に関わらなくなると自然消滅して、誰も注意を払わないということになるのである。
スポーツ、余暇、芸術愛好の組合、人種差別や貧困、公害に反対する組合など様々な組合がある。組合は今日あらゆるタイプの活動で存在し、またあらゆる規模の組合がある。一人の俳優が仲間二人と組合を立ち上げ、組合活動期間のうちたった2回芝居を演じただけという組合もあれば、何千人ものメンバーを集めて世界中に知られている組合もある。
フランス人はこうした組合の存在にとても満足しているようである。事実、フランス人の95%が組合に好意的な意見を持っている。そして、諸問題を解決するのに、政府や企業よりも組合の方が有効だと考えているのである。
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