Un chef d'orchestre n'est ni un clown, ni un gymnaste.
( Charles Münch )

オーケストラの指揮者は道化師でも体操選手でもない。

 指揮者のシャルル・ミュンシュ(Charles Munch, 1891年~1968年)は、アルザス地方のストラスブールでドイツ系の家に生まれる。サン・ギヨーム教会の合唱団の創設者でもある父親から音楽の手ほどきを受け、その後ストラスブールの音楽院に入る。最初はヴァイオリンを学び、1926年からは名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で演奏し、コンサートマスターも務めた。
 指揮者としては1929年にパリでデビュー、1938年からはパリ音楽院管弦楽団の首席指揮者となる。第二次大戦後はアメリカのボストン交響楽団の常任指揮者、1967年にパリ音楽院管弦楽団がパリ管弦楽団と改組された際には初代の音楽監督となった。
 ミュンシュは情熱的な指揮ぶりで知られる。(引用した一文とは、むしろ対照的と云えるかもしれない)晩年にパリ管と録音したブラームスの交響曲第1番は、そうしたミンシュの特徴が発揮された名演である。  

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