2013年センター試験第7問

　今日、スポーツは日々の生活の中で非常に重要な地位を占めている。学校でもメディアでも、さらには文化的な意味でも重要な地位である。しかしながら、純粋にアマチュアの人がスポーツをするのと、金銭や政治的な意向、祖国の名誉、記録の重要性、さらにはテレビといった他の要素が確実に影響を及ぼしているプロスポーツとの間には、かなりの隔たりがあることも確かである。こうしたことすべてが、スポーツのイメージを全く変えてしまったのである。
　日曜日に少し水泳をするような人は、毎日何時間もプールでトレーニングをする人とは違う。やることは同じようでも、目的は全く違うのである。前者は健康になるために水泳をする。後者は別の世界に属していて、その人たちにとってプールは競争の場であり、体力を使ったり楽しんだりする所ではなく、自らの能力を示す場である。プロスポーツにおいて、肉体は大変な努力にさらされており、その目的は何よりも勝つことなのである。勝利は政治的、経済的、象徴的な結果をもたらすことになる。
　こうしてスポーツは、チャンピオンを生み出すことで、単なるプレーではなくなり、政治的な事柄となる。チャンピオンは自国のために戦う。スポーツによって莫大な金額が駆けめぐることにもなる。並外れた収入で知られているスポーツ選手がいるのである。経済的・政治的な利益はとても大きいので、ハイレベルのスポーツをスキャンダルが襲うこともたびたびである。国際的にみれば、スポーツはメディアを介して大がかりなショウとなり、そのチャンピオンは真の有名人となる。新聞や雑誌、テレビは、たえずより多くの金を稼ぐために、チャンピオンの映像や写真を大量に利用するのである。最後に、大規模なスポーツイベントは人々の熱狂を引き起こすことを付け加えておこう。それはスポーツに全世界的な規模をもたらすものとなる。
　しかし、努力の美徳とはいったい何なのだろうか？共にスポーツを愛したり、単純にスポーツを楽しんだりする気持ちとはいったい何なのだろうか？