センター試験長文問題全訳


2017年センター試験第7問

 どんな西洋文明においても、プレゼントをしてくれる伝統的な人物というものがある。白いヒゲをたくわえ、赤い服を着て微笑んでいる今日のサンタクロース(というイメージ)は、第二次大戦後にアメリカから直接やってきた。サンタクロースはとても有名になったので、彼なしではクリスマスを祝うことは難しい。しかし、子供たちに真実を隠すこと、言い換えれば子供に嘘をつくことが良いのかどうか判らないという親たちもいる。
 ある心理学者はそうしたことは間違った疑問だと考えている。確かに小さい子供はみな、言葉を話すイヌやネコ、奇妙な動物、漫画の主人公たちが住む世界で暮らしている。子供の想像力が外の世界の厳しい現実から彼らを守っており、彼らからそうした保護を奪う理由は全くない。だから、サンタクロースの物語は妖精のおとぎ話と同じ役割を持っているのである。その代わりに、もし商店街で次々に5人のサンタクロースに出くわして子供が驚いていたら、その人達はサンタクロースの衣装を着ているだけで、本物は夜やってくると説明しなければならない。
 問題なのは、いつ真実を言うべきか知ることである。もし子供がサンタクロースはいないと誰かが言っているのを聞いたのなら、子供を安心させるだけで十分である。サンタクロースがいるとは思っていない人もいるけど、伝統を守ればいいのだとも子供に言ってあげよう。それに対して、もしあなたの子供が後になって再びそのことを話してくるようなら、それは子供が大きな疑いを持っているということである。(その時には)真実を子供に言うべきである。子供は真実を知って、おそらくは少し悲しむだろう。しかしからかわれるよりは良いのだ。なぜなら子供の学校のクラスではもはや誰もサンタクロースの話を信じていないのだから。いずれにせよ、より幼い兄弟姉妹には何も言うべきではないということを、子供に理解させてほしい。子供は大きな秘密を持ったと感じるだろう。


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