31  (8月27日)
   創造主が私たちの心に植え付けたあらゆる感情の中で、愛情は最も説明できないものであり、人間と動物とを区別する唯一の感情である。ただし動物といっても犬だけは別で、この動物は犠牲的と言えるほどの無償の愛情を持っており、時には飼い主の死んだ後では生き残れないこともあるのだ。
   私たちは両親を愛する、それは自分の両親だからである。同じように子供たちや兄弟、姉妹を愛するのは、それが自分の子供や兄弟、姉妹だからである。ところが、ある年齢に達すると私たちはある女性を愛し、女性も私たちを愛する。神よ、あなたは私たちよりもその理由をよく知っているはずだ。しかし、そうした男女間の恋愛すべては、それを私たちに続けさせる理由がなくなると、ある日突然消えていってしまうのである。
  1. De tous les sentiments:通常の語順ならば後出の最上級に続く de
  2. Créateur:創造主、神←→ (神による)被造物、(特に)人間
  3. Amitié:基本的には「友情」だが、全文を読むと判るように、ここでは男女間の恋愛とは対照的な普遍的な愛情のことを言っている。
  4. le moins expliquer:劣等比較。日本語には劣等比較とう表現がないので、訳出には工夫が必要。多くの場合、否定文として訳出するとよい。
  5. à part:別に、他と離して、わきにのけて
  6. Une femme, nous l'aimons:接続詞はないが、前文の愛情とは異なる男女間の恋愛について述べているので接続語を補った。なお、筆者は男性の立場から書いているようである。
  7. mieux que nous:挿入されている部分なので、自分でカッコ等をつけて識別すること。
  8. nous forcent:forcer (人) à+名/不定詞「(人)に~(すること)を強いる」

→ 問題文に戻る

→ 読解練習帖 index


→ accueil( Home )