38 (9月3日) |
毎年あの世に関する多くの書物が出版されている。死は、ある人達にとっては 尽きせぬテーマなのである。しかし、死に問うてみても無駄である。死は何も言わないだろう。人間が地上に誕生して以来、いまだかつて死は何も語らない。死は常にそこにあるが、誰も死を本当には知らないのである。死は真正面からは見つめられないと言う人がいれば、死を恐怖の女王と呼ぶ人もいる。キリスト自身も死を恐れた。人々は死者に尋ねようとしたが、聞こえたと思ったものは、何の証しもない以上、受け入れられはしない。瀕死の人の唇から何かを聞き取ろうと耳を傾けても、聞こえてくるのは錯乱した片言でしかなかったのである。 |
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