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ところで美術における写実主義とはいったい何を意味するのか。美術作品は現実から受けた印象であると同時に魂の表現でもある。つまり、それは現実的でありながら観念的なのである。従って、写実主義の画家と観念的な画家との間の区別は、相対的なものにすぎない。現実にあるものを前にして見たことや感じたことを再現するにとどめる画家もいれば、現実からうける印象は自らの想像力の出発点でしかなく、そこから想像力の可能性の限界に達することが出来ると考えている画家もいるのである。 |
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