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(9月16日)
目が覚めると、城の大時計が3時を告げていた。月は幾分薄いもやに覆われていたが、明るい夜だった。私はもう一度眠ろうとしたが、眠れなかった。いつもこんな時には本を取り出して勉強しようとするのだが、手の届く所にマッチが見当たらなかった。私は起きあがって、手探りで部屋の中を進んだ。その時、何か判らないがとても大きな物体が窓の外を通り過ぎ、鈍い音をたてて庭に落ちた。最初、私はそれが人間だと思った。窓を開けて外を見た。何も見えなかった。
fût:接続法半過去。現代フランス語では接続法現在を用いる。
brume:「靄、霧、霞」日本語訳は様々可能だが、brouillardより薄いもの。ちなみに日本の気象用語としては、視程(見通すことのできる水平距離)1km未満のものが霧、1km以上10km未満のものが靄。
parvenir:parvenir à+不定詞「ようやく~できる、~することに成功する」。名詞が続いても前置詞の à は必要なので中性代名詞は y。
usage:ここでは「習慣、慣例」
tâtonnant:形容詞で「手探りの、おそるおそるの」。ここでは主語の属詞としてallerという動作の状態を表している。
devant:前後の文脈から考えれば、"物"が部屋の外を通り過ぎたことは明白。
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