2-30 (2月1日) |
突然恐ろしい憶測が彼の心に生まれた。彼は部屋の中を行ったり来たり落ち着かなかった。ああ、憶測はどうしようもないほど明確なのだ。今となってはもはや疑いようもなかった。彼は封筒を間違えたのだ。婚約者のルイーズは次のような手紙を受け取るはずなのだ。「では明晩、夕食を。愛しいジャンヌ。何か判らないけれど熱気や甘美な思いが漂っていて、それで僕は今朝から君のことだけを考えているよ」そして彼の愛人のジャンヌは「では明日の午前中に。お昼を一緒に食べよう。可愛くて愛しい我が婚約者のルイーズへ。空には何か判らないけれど爽やかさと優しさが満ちているよ」何もかも終わりだ。おそらく、駆けつけて手紙が届く前にすべてを白状して赦してもらわない限りは。女性というものは人が罪を認めて白状するのが好きなのだから。 |
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