2-41 (2月19日) |
明け方、彼女は突然目を覚ました。部屋に誰かがいた。彼女はそれを確信した。カーテンの陰に男が隠れているのだ。彼女の胸は大きな音をたてて鳴り始めた。手探りで電灯のスイッチを探した。灯りがついて部屋の中がはっきり見えた。誰もいなかった。部屋はいつもと同じだった。誰も隠れていないことは明らかだった。隠れる場所もないのだ。しかし彼女はカーテンが開いて誰かが出てくるのではないかと恐怖に駆られた。少しずつ彼女は落ち着いてきて、自分の周りを見渡した。壁も家具もありふれた写真も、何もかもが恐れるものは何もないと彼女に告げていた。彼女は再びベッドに横になったが、灯りは消さないまますぐに再び眠りについた。眠りの中で、彼女はみすぼらしい服を着た男が何も言わず自分に微笑みかけているのを見た。その男はベッドに近づき、彼女の方に身をかがめて優しく手を差し出し、彼女の頭を撫でた。彼女は涙を流し、その涙が流れるままに目を覚ました。 |
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