2-44  (2月22日)
  みなさんに飛び切り新しい話をしなければなりませんね。それは昨日のことなんです。
  風よけの垣根がある小道で、私は朝の短い散歩をしておりました。すぐ近くで、農民たちが荷車に小麦を積んでいました。
  街道の方で強力なエンジンの音が近づいてきました。するとその車は農民たちのそばに停まったのです。外国人なまりの声がこう尋ねたのでした。「M...へ行く道を教えてくれませんか」M...は南東10キロほどの所にあるのですが、農民たちは反対の方向を指し示したのです。車が走り去ると、農民たちが大笑いしながら次のように言うのが聞こえたのです。「あいつらには一日中のんびりと散歩する時間があるんだから、この地方をたっぷり見物してもらわなくちゃな!」
  1. neuve:neuf は「新品の、できたばかりの」という意味の「新しい」。一方、nouveau は「今度の」という意味の「新しい」。
    Mon nouvel appartement n'est pas un appartement neuf.
    私の今度のアパルトマンは新築ではない。
    Sa nouvelle voiture n'est pas neuve.
    彼(女)の今度の車は新車ではない。
  2. La voiture repartie:étantを補ってLa voiture étant repartieとみなす。主節の主語と分詞の主語が異なる絶対分詞構文。
  3. Puisqu'ils:ilsは車に乗っていた人たち。強力なエンジンの車だけに、有閑階級であることが想像される。なお、訳例の「のんびり」と「たっぷり」はフランス語にはないが、有閑階級と忙しい農民との対照的な姿を浮きだたせるために補った。

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