2-2  (12月31日)
   昨夜、妻と私はテレビを見ていた。彼女は口を半ば開けたまま私の肩にもたれて寝入ってしまった。彼女の顔にはひどい疲れが現れていたが、それは昼間は気付かれはしない。かつてないほどに痩せて、彼女は苦しみの中にやすらんでいた。あらゆる生活の困難、生きていることのあらゆる辛さが、彼女の顔に現れていた。私は彼女をとてもかわいそうに思い、そして彼女によって、彼女を通して、存在するがゆえに苦しんでいるすべての人間を哀れに思った。起こさないようにそっと彼女にキスをしたが、はたして起こさないほうがいいのかどうかと私は思った。
  1. Plus menue que jamais:plus que jamais「かつてないほど」
  2. menue:menu 形容詞で「 (人が)小さくてやせた、小柄な」
  3. me demandant:分詞構文で主節の動詞(embrassais)を修飾する。se demanderは「 自問する」という強い意味もあるが、「~かしらと思う」くらいの意味で使われることが多い。
  4. faisais bien:faire bien de+不定詞「~するのがよい、適切である」

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