2-2 (12月31日) |
昨夜、妻と私はテレビを見ていた。彼女は口を半ば開けたまま私の肩にもたれて寝入ってしまった。彼女の顔にはひどい疲れが現れていたが、それは昼間は気付かれはしない。かつてないほどに痩せて、彼女は苦しみの中にやすらんでいた。あらゆる生活の困難、生きていることのあらゆる辛さが、彼女の顔に現れていた。私は彼女をとてもかわいそうに思い、そして彼女によって、彼女を通して、存在するがゆえに苦しんでいるすべての人間を哀れに思った。起こさないようにそっと彼女にキスをしたが、はたして起こさないほうがいいのかどうかと私は思った。 |
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