2-18
(12月17日)
雨は10日前から降り続いていた。刻々と迫る状況の重大さを、我々は推し量っていた。水位は上がり続け、地下室は完全に浸水してしまった。1階に残っていたものはすべて、あちらこちらの水面に浮かび漂っていた。電気は寸断され、我々はロウソクの明かりに頼らねばならなかった。
我々はどうなってしまうのだろう?
隣人の何人かは一番最後の大洪水以降使っていなかった小舟を取り出していた。一番最後の大洪水が起きてからもう30年も経っていたのだ。
çà et là:「あちらこちらに」çàは「ここ」という意味の古語で、現代ではこの熟語でしか使われないが、間投詞としては「さあ、さあさあ、おや、なにっ」など励まし・驚き・いらだちなどを表す語である。
Qu'allions-nous devenir ?:半過去なので直訳すれば「我々はどうなろうとしていたのか?」ここでは自由間接話法の一種とみなして現在形的に訳出した。
n'avaient pas servi:servirは自動詞で「使用される、役に立つ」
cela faisait:Cela fait+時間+que~の構文の一部。
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