2-20 (12月27日) |
私はデカダンス(芸術の退廃)という言葉が好きではない。それは未来というものを断罪しているように思われるからだ。デカダンスということが正当であるなんて何も証明してはいないのだ。たとえば、今日の建築は明らかにポンピドゥーの頃の建築より勝っていると私には思えるのである。また現代のバレエ、特にベジャールのバレエは、普通クラシックバレエと呼ばれるものよりも、私には常に美しく感動的に思えた。映画に至っては、新しい作品が出るたびに常に私たちを感動させ、驚愕させる。要するに、一般に芸術に関しては、最悪の場合でもおそらく私たちのためになる、すなわち音楽や絵画、彫刻を再び創りだすことが可能だと示す兆候がいくつものあると思われるのだ。それは現代的に見えたり前衛的であったりするためではなく、何か言うべきこと、表現すべきことがあり、喜びや感動を与えるためであり、友人の一人がいうように、人生がみずから意思表示するのを助けたいと願うからなのである。 |
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